身の引き締まる話だ・・・

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僧侶も30数年続けていると色んな事がある。
所謂檀家以外の人に、言うならば職業的にでは無くお経を依頼された事が何度かあるが、今日も雨の中、或るお宅にお邪魔してきた。

過日電話があって約束していたことなのだが、電話の内容は「主人が亡くなって○年経つのですが、主人の最期、結局私は何もしてあげられなかった。それで思い立ったのですが、せめて今、和尚さんのお経を主人に聞かせたいと思って」と、そんな話であった。

勿論生前ご夫婦共に存じ上げていた人であるが、まさか!の申し出であった。
ご主人の方とはそれなりに接点があり、奥さんはほんのチョット軽く言葉を交わす程度の関係だったので、驚きの申し出ではあった。

明確に覚えている、檀家以外の人に対してのお経はこれまで二回あるが、思えばこんな私に有り難い話である。

ひとしきり思い出話をして帰ってきたが、何が理由なのか?生前ご主人は私の事を随分高く評価して下さっていたのだそうである。
話半分割り引いて受け止めたとしても、わざわざ電話を下さって、そして決して少なくないお布施・・・ただの社交辞令ではあるまい。

時々お経の声を褒められることがあるが、もし本当に私の声が今日の出来事を呼び起こしたのなら、其の声は基本的に親から貰ったモノ。私の手柄では無い。

何はともあれ、こういうのを坊主冥利に尽きるとでも言っておけば良いのであろうか?
有り難い話である分、ひとり身の引き締まる話でもある。

画像は本文と関係ない、長雨で水の溜まった前栽の枯山水。
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by tennkozann | 2016-09-20 13:20 | Comments(0)