後戻り出来ない時間

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人間は極めて平等に『後戻り出来ない時間』を生きている。
家内が亡くなった際、一旦その事を強く思ったにも拘わらず、喉元過ぎれば熱さ忘れるで、私は迂闊な日々を送ってきたように思う。

過日思い掛けず、全く思い掛けず、50数年ぶりに初恋の人とも言うべき女性と再会した。

彼女の語るところを聞きながら、当時彼女の境遇に無頓着であった事と同時に、またぞろ私は『後戻り出来ない時間』を思う。

その女性が素敵に年を重ねてきたらしい、思い出を汚さない人であったからこそ思うのでもあろうが、私は彼女を通じて思い出される我が青春が、涙が出る程懐かしい。
しかし其処に後戻りする事は出来ない。

ただ考えておこう。
ものの10年も経てば、この今にだって、その時点で『後戻り出来ない』事を思うのだ。

しかし私は70年近く人生を学んできたのだから、それはもぉ悔いを以て思い起こす其れであってはならない。

人生の最終章である事は間違いない。
思い掛けず早々に家内を亡くした。
過日は全く思い掛けず、人が『テレビドラマのようですね』と評する初恋の人との再会があった。

この今にして『後戻り出来ない時間』を正しく認識出来なかったとすれば、私に満たされた死は期待出来ないと云う事かも知れない。

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by tennkozann | 2018-03-02 08:13 | Comments(0)