離婚

f0211225_15480515.jpg
元々檀家では無かったKさん。
K家に葬儀が発生して以来数年間檀家並みの付き合いをして貰っていた。
過日突然電話があって『急な話ですが実家(遠隔地)に戻ることになったのでお墓と仏壇のオショウネ抜きをして貰いたい』と。

日時を約束しておいて今日お参りに行った。
「このお宅も処分されるのですか?」そう問う私にKさんは「いえ!家はこのままにして・・・」と。
それじゃ、この家で生まれ育った子供さんのためにでもとっておくのだろうかと聞いてみたら「離婚です」と。

随分と明快に答えられたので、格別悪いことを聞いてしまったという気にもならなくて済んだが、その後の話では、財産分与の一部として奥さんにこの家を渡すのだそうである。

何でも一年ばかり前に離婚を決めて、そして漸く現実の運びとなったのだそうである。

「ではその一年間は?」と問うと、夫婦二人(60前後)で特に何事も無く住み続けていたのだそうである。
「その間にもう一度やり直そうという気にはならなかったのですか?」と問うと、微塵もその気になったことは無いのだそうだ。
「長い間我慢しましたから?」
「それはKさんが?」と聞くと、少し考えて
「いや、家内も我慢はしたのでしょうね」と。

この話し合いの際、二人の子供も立ち会って、娘さんは家で2時間ばかり泣き続けていたのだそうだ。
「息子が分かってくれたのが救いです」と。

傍に居る息子さんにその心境を聞いてみたら「二人がそれで楽になるのなら、それが一番じゃ無いかと思います」。
基本的には父親の方の味方になっているようではあった。

Kさんは「結局全く合わない相手だったんでしょう、お互いに」と。

「それ程合わないと明言出来る二人が、しかし縁あって夫婦となり、子供を授かり、しかし矢っ張り合わないからと、決して感情的にならずに、人生の晩年に於いて別れを選択する、人間は難しいものですね・・・」

そうとでも結論づけておかなければ話が終わらないのでそう話したら、Kさんは複雑な笑顔を浮かべて頷かれた。

[PR]
by tennkozann | 2018-03-16 15:50 | Comments(0)